
運命の輪が、ゆっくりと、軋みを上げて回りはじめた。
半年前から、違う時代に入ったのは感じていたけれど、
予測は遥かに凌駕され…
これは、手にあまるほどの大きな変動なのかもしれない。
界の交代。
もう、昨日と同じ明日ではないのだ。
まるで中有のような今日という狭間。
明日からのこれからを考える。
明日からの自分を考える。
何が出来るだろう。
今の自分には何があるのだろう。
真剣に向き合って、一歩を、踏み出さなければならない。
そういう時代が来た。
いずれは来ると、納得していたことだけれど。
ほんとにね…ずいぶん長い時間、遊ばせてもらえた。
砂上の楼閣。
分かっていたからこそ、夜ごときらびやかな満艦飾を灯し続けてきた。
自分はなんと運のいい人間なのだろうと、ずっと思いながら。
幸運はいただきもの。
幸福は紡ぎだすもの。
遊びの時間は終わった。
ここからはじまる。
何かを手離さなければならないのだろうか。
ここまで大事にしてきた(はず)のものを、一度は放らなければ、
進めないのだろうか。
それは本当に大事なものなのか。
何をおいても続けたいことなのか。
自分はどう生きたいのだろう。
答えは、
比べて捨てて、比べて捨てて、
そうしなければみつからないものなのだろうか。
自分にとって一番大事なものは、何なのだろう。
ここから先に、どのぐらいの覚悟が必要なのだろう。
「生きてゆかなければ。生きてゆかなければね。」
今の自分にあるのは、この肉体と脳と気持ちと、
それだけ。
人の役に立てるような力は、何も身につけてこなかった。
そりゃそうだ、砂の上で遊んできたのだから。
別に、そこに反省や自戒を持ち込むつもりは毛頭なくて、
ここまでこう来た自分に出来ることを、する。
それだけのこと。
頭で考えていたってしょうがない。
動く。
それだけのこと。
…今それをしなかったら、自分を許せないな。
…自分で自分を価値のない生物に落としてしまうな。
自分が本当はどういう人間なのか、分かるときを与えてもらったということだ。
大きなチャンスじゃないか。
やってぶち当たったらそのとき分かる。
本当に大事なものが。
手離したくないものが。
自分が何を築いてきたかが。
そこに人は、もはや関係ないのだよな。
誰がどうあろうと、自分がするべきことの前に、人の生き様は関わらない。
たとえそれが家族であろうと、
自分の生を歩くのは、自分、ただ独りなのだから。
そうね、大丈夫。
この界のはじまりは、
香り高く咲き誇る、大きな真っ赤な薔薇の花束を贈られた、
そこからだったのだから。
どんな旅路になったとしても、先で待つのは祝祭。
そう信じられる。
さあ、どうする?
あんたはどう生きてゆきたい?
どう生きてゆこうか。
* * *