| 理想の夫婦 私が理想としている夫婦がいる。 今は亡き、父方の祖父母である。 私が18歳だったある日の事。 突然入った悲しい知らせ…。 大好きだった祖父の死だった。 寡黙ではあったが、いつも笑顔を絶やさない、暖かい人だった。 山登りと散歩、写真が好きだった祖父。 亡くなる直前まで元気で、誰も予想していなかった突然の死だった。 私は家族に遅れて、新幹線で1人、父の実家のある金沢へ向かった。 私の初の写真集を胸に抱え、新幹線の中で涙がとまらなかった…。 亡くなる前日も、祖父は元気に散歩へ出かけたそうだ。 散歩の途中で寄ったのは、近所の本屋。 私の写真集を予約したのだ…亡くなったと連絡を受けた時聞かされた。 その写真集を見る事なく、祖父は逝ってしまった。 天国で見て欲しいと願いを込めて、私は祖父の棺おけに写真集をおさめた。 祖父の遺体と対面した祖母が、微笑んでいたのを今でも覚えている。 身体が弱く、入退院を繰り返していた祖母が、あの時何を思っていたのだろうか…。 その祖母が、祖父の初七日の日に亡くなった。 もう心残りのない、安心しきった笑顔を浮かべて…。 |
||
| back |